
The Kikuo Morimoto Collection
Cambodian Heritage
Exhibition Concept
創立者・森本喜久男が1996年より収集・保存してきたカンボジアの古布や織物道具を展示する小さな美術館です。IKTTショップの2階に位置し、展示は3つの部屋に分かれ、それぞれのコンセプトごとに構成されています。
コレクションは100点以上に及び、100年以上前に制作されたと考えられる貴重な布も含まれ、1990年代に実施されたユネスコの調査報告書や関連資料、ナーガ文様や神鳥ハンサが施された織物道具などを通して、当時の高い美意識と技術の背景をご覧いただけます。
本展示を通して、古きカンボジアの人々の美と技に思いを巡らせていただければ幸いです。

クメール
クメールの文様は、宗教観や宇宙観と深く結びつきながら発展してきた。布は単なる装飾ではなく、祈りや世界観を映す存在でもある。
象徴的なのがナーガ(蛇神)のモチーフである。水を司り、生命を守護する存在として、織物の中にさまざまな形で表現されてきた。
細やかな文様の反復や緻密な構成の中に美を見出すその美意識は、クメール人に代々受け継がれてきた、何ものにも代えがたい文化遺産でもあるのだろう。

チャム
カンボジアの伝統的な絣の世界において、少数⺠族としてのチャム⼈の存在は、決して無視することのできない重要な要素である。
タケオ州のクメール⼈の織り⼿たちは、細やかな⽂様の反復の中に美を⾒出してきた。⼀⽅で、チャムの織り⼿たちは、大胆で⼒強い柄の構成の中に美を感じる傾向がある。
この⼆つの美意識は、⼀⾒すると対極に位置するものとも⾔えるが、まさにこの異なる美意識の融合こそが、カンボジアの織物世界を形づくってきたという事実は疑いようがないだろう。

道具
信仰と生活、技術と精神性が深く結びついていた時代の織りの思想を伝えるのは、布だけではない。道具もまた同様である。
カンボジアの伝統的な織り機に取り付けられていた道具の中には、キンナリー(Kinnari)の姿をかたどったと考えられる滑車がある。キンナリーは精神的な美や調和を象徴する存在である。
実際に織り機に取り付けると、その姿はまるで織り手に向かって祈りを捧げているかのように見える。それは単なる装飾ではなく、良い布が生まれることを願い、織り手の心を整える存在だったのかもしれない。
布だけでなく、道具にもまた祈りと思想が宿っている。

調査資料
1990年代、内戦の影響が色濃く残るカンボジア各地を巡りながら、森本喜久男は織り手たちへの聞き取り調査や技術の記録を行った。本展示では、その際に作成された調査報告書や手書きの記録、当時の村の様子を写した写真資料を紹介している。
これらの資料は、単なる記録にとどまらず、失われかけていた伝統技術や織りの現場を今に伝える貴重な一次資料である。そこには技法だけでなく、織り手たちの言葉や暮らし、そして当時の時代の空気までもが刻まれている。
IKTTの活動は、こうした森本の調査と人々との出会いの積み重ねの上に築かれてきた。本資料は、その原点を物語る重要な記録である。
原点
この調査の過程で
わたしが出会い
話しが聞く事の出来た
おばあ達の多くは
すでにこの世にいない。
だが、彼⼥達の協⼒なしには、
現在のIKTTは存在しないことを
ここにあえて記しておきたい。
森本喜久男(1948-2017)

Inside This Room
展示室は[クメールの古布] [90年代の調査資料とチャムの布] そして、[織物の道具]の3つの部屋に分かれています。布・記録・道具という異なる視点から、カンボジアの織物の世界をご覧いただけます。

Entrance
IKTT Shop – 2nd Floor

Introduction
Sketch by Kikuo Morimoto

Research Documents
From the UNESCO Report

Khmer room
Antique KhmerTextile

Cham room
Fusion of Khmer and Cham

Weaving Tools Room
Collection of Antique Tools

Information
Admission
• Cambodian visitors: Free
• International visitors: US$5
• Free admission with textile purchase
Location : 2nd Floor, IKTT Shop
Open : 8:00am to 5:00pm